
妊婦のお客様との、嬉しい思い出について、書いてみます。
国内線の機内では、「里帰り出産」をするために、故郷に帰る妊婦さんに、よくお会いしました。
今回は、そんな便での出来事。
機内で出会った妊婦のお客様
国内の航空会社時代のお話。
私が担当するエリアに、20代くらいのご夫婦が登場下さいました。
※担当するエリアとは、万が一の脱出時に、自分が脱出を担当するエリア。
事前情報によると、女性は妊婦さん。
里帰り出産をするために、ご搭乗下さっていました。
そこで、搭乗時に挨拶をしました。
「本日はご登場ありがとうございます。
上空は冷えますので、予備の毛布もお使い下さい。
何か必要な物があれば、いつでもおっしゃって下さい」
と言って毛布を渡しました。
これは全く特別な事ではなく、多くの先輩達がしてたご挨拶。
私はそれを見て、まねしただけ。
離陸し、飲み物のサービスも完了。
次は、お子様に「機内のおもちゃ」を、配って回ります。
妊婦のお客様にも「おもちゃのプレゼント」
その日のフライトは、お客様が少なく空いていた。
あっという間に、おもちゃも配り終えました。
着陸態勢まで、時間があったので、
妊婦のお客様に、お手紙を書く事にしました。
機内備品の、飛行機の絵ハガキに、書きました。
「赤ちゃんへ、
本日はご搭乗ありがとうございます。
元気に生まれてきてくださいね。
良かったら、このおもちゃで遊んでください。
帰りの飛行機で、生まれたばかりのお客様に、お会いできるのを楽しみにしています。
○○便、客室乗務員:○○さくら より」
おもちゃを添えて、妊婦さんに渡しました。
その後、飛行機は着陸態勢。
ギャレーの安全確保など、バタバタと業務をこなしました。
そして、飛行機は、無事目的地に着陸。
私は、アナウンスを入れていたので、すぐには客室に出られませんでした。
アナウンスを入れ終わって、客室に行くと、、、
妊婦さんと旦那様が、飛行機を降りず、ずっと待っていてくれました。
着陸後、妊婦さんに頂いたメモに感動
妊婦さんのもとに向かうと、
「色々ありがとうございました。
嬉しかったです。
あとこれ・・」
きれいに畳んだ毛布と、
この紙を渡してくださいました。
妊婦のお客様「CAさんの名前が分からなかったんで、短い文章だけですが・・・」
そんな優しい言葉を添えて、渡してくれた…
お客様から頂いた紙には、
「ありがとうございました。
元気な子が生まれてきてくれるよう、頑張ります!!」
ジーン、、、涙(T_T)
狭い機内に座りっぱなしで、早く飛行機を降りたいでしょう。。。
みんなが降りるのに、私を待っていてくれたお2人。
私と目が合うと、笑顔で寄ってきてくれたお姿が、今でも目に焼き付いています。
本当に、ありがとうございました。
私の中での、大事な思い出です。
最後に
この「妊婦のお客様に、おもちゃのプレゼントとお手紙を書く」事は、
日系エアラインの先輩CA達に、教わりました。
私が考えたことではなく、
以前ご一緒した先輩CAさんが、お客様にしていたことです。

実は、CAになって、訓練で接遇については教わりませんでした。
けど、日々乗務する中で、
先輩CA達の、お客様への優しい姿勢から、沢山の事を教わりました。
と同時に、自分のダメ人間っぷりも日々痛感してました(;^ω^)
この「妊婦のお客様へのサービス」も先輩が教えてくれたから、喜んでもらえる事ができました。
機内で何も無い中、メッセージを書いてくれたお客様と、そんなサービスを教えてくれた先輩に、すごく感謝しました。
あ!これ、
めちゃくちゃ混んでるフライトでは、出来なかったと思いますm(__)m
ここからは、CA目線での話になりますが、
これは、時間があったフライトだからできました(;^ω^)
私はエクストラのサービスを、後輩CAさん達に一切強要しませんでした。
「時間に余裕があって、自分がしたい時にするのは大大大賛成!」
それはもう、どんだけでも、てんこ盛りでどうぞ!
※忙しい時に、本来しなくても良いエクストラのサービスまでも、強制の空気(ログブックみたいに)なるのは、私は反対なので、最後に敢えて付け加えておきましたm(__)m
あらから、数年、
ずっと、この紙は宝物箱の中にしまってあります。
これからもずっと宝物です。
CAとして働かせてもらって、こちらは何もしていないのに、お客様からありがたい言葉を頂く時があります。
大変恐縮ながら「ありがとうございました」と言って頂きながら、泣いて頂いたこともありますm(__)m。涙
↑このエピソードも後日書きます。

お客様に、宝物のような思い出や、言葉をもらったフライトは、一生忘れられません。
そして、自分がしてもらって嬉しかったから、
自分が乗客として乗る時はもちろん、レストランやホテルなどで、嬉しいサービスを受けた時は、必ず言葉にして店員さんに感謝を伝えています。
ちょっと話がそれてしまいましたが、今回も読んで下さってありがとうございました。
さくら